ミステリーでは、
森博嗣さん-『S&M』シリーズ(すべてがFになる、笑わない数学者)
『V』シリーズ(黒猫の三角)
独特の世界観やキャラクターが好き嫌いの分かれる所かもしれませんが、
ハマってしまえば、もう、大好物です。
たとえるなら、雪の結晶のような、幾何学模様の美しさでしょうか。
作品もですが、森さんご本人のキャラクターがとても魅力的。
北村薫さん-『円紫師匠と私』シリーズ(空飛ぶ馬)
『覆面作家』シリーズ(覆面作家の夢の家)
ミステリーといっても、ほとんどが殺人事件が起こるわけではなく、
日常にさりげなく転がっている謎に光を当て、
そこから物語を紡ぎ出していくというものです。
登場人物の細やかな心情をとても美しい文章で描かれていて、
読み終えた後は、そっとため息をつきたくなります。
横溝正史さん-『金田一耕助』シリーズ(犬神家の一族、獄門島)
おどろおどろしい殺人シーンが取り沙汰されがちですが、
優れたトリックを扱った作品がたくさんあります。
キース・ピータースンさん-「ジョン・ウェルズ」シリーズ。
ニューヨークの中年新聞記者が事件に出くわす、という流れは、
ハードボイルド小説の王道、定番ではあるのですが、
とにかくこの作者さん、語り口が上手くて、文章でしっとり酔わせてくれます。
それに、主人公のジョン・ウェルズはもとより、脇の登場人物も魅力的で、
特に、同僚の若き女性記者ランシングが実にイイ!のです(このシリーズの
真の主人公との説があり、ウソかホントか、ファンクラブまである始末)。
最後に、ホラーを1つ。
クライヴ・バーカーの「血の本」シリーズ。
映画「ヘルレイザー」の監督としても知られる、クライヴ・バーカーのデヴュー作です。
人の死ぬ描写が相当激しいのですが、ただそれだけの作品という訳ではありません。
物語そのものは正当派ゴシックホラー、いにしえより闇に住まう者達の世界を描いています。
ちなみに、このシリーズは世界幻想文学賞と英国幻想文学賞を受賞しています。